亡くなった人が企業や団体などで創業者だったりトップクラスの役職を長年、務めていた場合、企業や団体内だけでなく関係業界に大なり、小なりの影響力を持っていたはずです。当然、事業経営を続けながら多くの人との付き合いもあったはずです。
従って、この影響力の大きい人が亡くなってしまうと関係者の間では事業経営の成り行きやトップ人事の組み換えに注目が集まっていきます。このため、葬儀は遺族や親族が中心になって行う一般葬や家族葬ではなく、社葬か遺族との合同葬になる場合があります。
社葬や合同葬を行う場合、企業や団体などの規模次第とはいえ、従業員や関連企業トップなどの会葬者が多数、葬儀に参列することになります。そこで、会葬へのお礼を兼ねて喪主とは別に故人の率いていた企業や団体の事情に通じた人の挨拶の行われるのが通例です。
企業や団体を代表する立場で参列して挨拶するので葬儀委員長の役割を果たすことになります。葬儀委員長となる人は企業や団体内で故人の遺志を継承すると見込まれる立場の人が選ばれることが多いわけです。従って、葬儀委員長が葬儀の場で行う挨拶の発言内容に企業や団体関係の会葬者が注目するわけです。
従業員や企業、団体トップクラスの会葬者が自らの予定を変えてでも多数、社葬や合同葬の通夜や告別式に参列しようとする理由がここにあるといわれています。